1.はじめに
様々な環境でBVE5のフレームレート測定を行い、どのような構成のPCがBVEを快適にプレイできるかテストをしてみました。
今回は、公開されている路線の中でもシステムに掛かる負荷の大きめなsilky_jet氏(-タコブレ- BVE add-on 阪神本線)の阪神電鉄 下り 本線尼崎駅にジャンプを行った状態でのフレームレートの測定をしてみました。
2.テスト環境
テストは、以下の様な7種類の環境で行いました。
PC名 | (1)GeForce1080+Core i7 8700K OC(5.0GHz) | (2)GeForce1080+Core i7 8700K定格(3.7GHz) | (3)GeForce970+Core i7 4770K OC(4.3GHz) | (5)HDGrachics 630+Core 8700K OC(5.0GHz) | (6)HDGrachics 630 Core i7 8700K定格(3.7GHz) | (7)HDGrachics 530 + Core i5 6400T 定格(2.2GHz) | (8)Intel Iris Pro + Core i7 4770HQ 定格(2.2GHz) |
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CPU | Intel Core i7 8700K | Intel Core i7 8700K | Intel Core i7 4770K | Intel Core i7 8700K | Intel Core i7 8700K | Intel Core i5 6400T | Intel Core i7 4770HQ |
CPU Core数 | 6 | 6 | 4 | 6 | 6 | 4 | 4 |
TBクロック | 5.0GHz | 4.3GHz | 4.3GHz | 5.0GHz | 4.3GHz | 2.5GHz | 2.4GHz |
GPU | NVIDIA GeForce1080 8GB | NVIDIA GeForce1080 8GB | NVIDIA GeForce970 4GB | Intel HDGraphics 630 | Intel HDGraphics 630 | Intel HDGraphics 530 | Intel Iris Pro |
メモリ容量 | 32GB | 32GB | 16GB | 32GB | 32GB | 16GB | 16GB |
メモリ規格 | DDR4(Dual Channel) | DDR4(Dual Channel) | DDR3(Dual Channel) | DDR4(Dual Channel) | DDR4(Dual Channel) | DDR3(Dual Channel) | DDR3(Dual Channel) |
備考 | メインのデスクトップ | メインのデスクトップ | NT氏にお譲りした旧マシン | メインのデスクトップ | メインのデスクトップ | HP社製デスクトップ | VAIO製ノート |
測定条件は以下の通りです。異方性フィルタリングを無効にしてもパフォーマンスに変化は見られなかったのでそのまま有効にしています。
描画距離 | 1200m |
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異方性フィルタリング | x16 |
表示モード | ウィンドウモード |
解像度 | FullHDおよび4K |
TurboBoost機能 | 有効 |
3.テスト結果
下図の通りdGPUを搭載した環境が高いフレームレートを記録しました。
8700Kを5.0GHzにオーバークロックすることで60fpsを確保することができました。BVEはCPUの周波数が高ければ高いほどfpsが高くなりdGPUを搭載することでさらに高速に動作することがわかります。
今回のテストでは、同じ4.3GHzの4790Kと8700Kで若干の性能差が出ていますが、これはコア数の増加によるモノではなくIPCの向上によるものと思われます。今までオーバークロックによって達成していたfpsが、3年の進化によってオーバークロックをしなくてもよくなったわけですが、性能差はあまり大きくなく、3年落ち程度ではまだまだ買い換える必要は無いと言えるかもしれません。
表には載せていませんが、7900Kを2.5GHzにクロックダウンして動作させたところ6400Tと同程度のfpsを記録しました。第8世代以降のCPUはコア数が増加していますが、現状のBVE5.7では残念ながらその性能を生かしきることはできないようです。
目立つのはiGPUの健闘です。FullHD程度の解像度であれば、CPUを高速で動作させることができれば、dGPUを搭載していなくとも、それなりのfpsを出すことができるようです。一方でIntel IrisProがBVEのにおいては性能を発揮することができない様で残念です。また、ノートPCの制約からか、4770HQのスペックとしてはTurboBoost機能が3.2GHzまで動作となっていますが、このノートでは2.4-2.6GHz程度の動作に留まっています。
4Kでは、FullHDでは健闘したiGPUも全く歯が立たず、CPUをオーバークロックしても全く性能が伸びていません。超高解像度でプレイするにはdGPUが必要なようです。4K解像度でもGeForce1080では、FullHDとあまり変わらないfpsを記録しています。詳しくベンチマークはしていませんが、970と1080で、fpsに差はなかったと記憶しています。dGPUが必要とは言ってもGeForce1080の性能はどうやら必要なさそうです。
4.考察
今回様々な環境で調査した結果を見ると、何よりも重要なのはCPUのクロック数です。クロックが高ければその分高速に動作します。そのため、絶対性能を求めるなら、TurboBoost周波数が高いCore i7やCorei 9を使用する意味があるとは思います。一方でこれらのCPUのマルチコアをBVEでは全く生かせないので、BVEだけをやるのであれば、これを購入するのはもったいないと言えるかもしれません。
コストパフォーマンスを考えると、定格クロック数が4GHzと高いCore i3 8350KがゲーミングPCには向いているのではないでしょうか。
また、dGPUを用いることで、路線によってはfpsが向上することがわかりました。もし可能であればdGPUを搭載したPCを選んだ方が良さそうです。
今回はテストしていませんが、各種画質の設定を行うことで高画質化を図ることもできます。(個人的な好みとしてアンチエイリアシングはあまり好きでないのでCaminoは異方性フィルタリングのみ使用しています。)
5.結論
・CPUクロックが高ければ高いほど、fpsは高くなる
・dGPUによってfpsの底上げが可能だが、最適なGPUについては今後も検証が必要
・4K解像度でプレイするならdGPUは必須。